立てこもり事件 銃器の扱いや規制に詳しい専門家は

猟銃のようなもので警察官が撃たれるという今回の事件について、銃器の扱いや規制に詳しい銃器評論家の津田哲也さんは「猟銃であれば20歳以上で精神疾患などがない人であれば誰でも試験を受けて合法的に所持の許可を受けることができる。このため日本では一般市民による銃犯罪というと猟銃だ」と指摘しています。
その一方、猟銃を使った事件を受けて所持を禁じる対象人物の拡大など規制は厳しくなっていて、猟銃などの所持は減少傾向にあるということです。
津田さんは「毎年、所持する銃の検査をしているはずで、精神的な疾患がないかや、他人の危害を加えるおそれがあるなど、銃の所持を認めない事由の調査がきちんとされていたのか今後確認が必要だ」と述べました。
そのうえで津田さんは「もし、犯行に使われたのが散弾銃だとしたら弾によって威力には違いがあるものの、銃口を向けていれば確実に相手にあたるもので、殺意があれば一番有効な武器ともいえる。今後も猟銃を所持したあとの調査で粗暴な行動など疑わしいことがあれば、いったん銃を預かるなど、管理を厳しくする路線は続けざるを得ないだろう」と指摘していました。

中野市を含む長野県の北信地域におよそ170人の会員がいる「北信猟友会」によりますと、容疑者は会員に登録されていたということです。
一般に北信猟友会のように地域単位の猟友会に所属する場合は市町村にある猟友会に所属するケースが多いということですが容疑者は地元の「中野市猟友会」には入っていなかったということです。
このため、地元の猟友会が行うことになっている有害鳥獣の駆除の活動には参加していなかったとみられるとしています。
これについて「北信猟友会」の竹節芳夫会長は「普通は地元の猟友会に入ったうえで北信猟友会の会員になるので、不思議だと感じた」と話していました。
容疑者については、接点がないため人柄や活動状況などは分からないとしたうえで、「このように銃が使われることは絶対にあってはならない。有害鳥獣の駆除をする若い人が増えてほしいのに、銃の所持が厳しくなったり危ないものは持たせたくなくなったりするのではないかと心配している」と話していました。