低体重の赤ちゃんにドナーミルクを 母乳バンク普及へ報告会
低体重で生まれた赤ちゃんにドナーから集めた母乳を提供する「母乳バンク」の普及に向けた取り組みなどを発表する報告会が29日、東京・中央区で開かれました。
「母乳バンク」は早産などで1500グラム未満の低体重で生まれた赤ちゃんに母親が母乳を与えられない場合に、ドナーから集めた母乳「ドナーミルク」を医療機関の要請に基づいて提供する施設で、国内では都内に2か所あります。
29日は母乳バンクの報告会が東京・中央区で開かれ、母乳バンクの普及に長年取り組んでいる昭和大学医学部の水野克己教授が「低体重で生まれた赤ちゃんは母乳を与えることで一部の重い病気のリスクを減らすことができる」とドナーミルクの役割を説明しました。
このあと、母乳バンクの普及に取り組んでいる福井県内の高校生が、学校で行ったアンケート結果などを踏まえ「結婚や出産など将来について考え始める高校生ごろから母乳バンクを知る機会があると普及につながると思う」などと発表していました。
日本財団母乳バンクによりますと、ドナーミルクを必要とする赤ちゃんに十分に届けるには母乳バンクの認知度をさらに高め、ドナー登録や医療機関からの要請を今後も増やすことが重要だということです。
日本財団母乳バンクの田中麻里常務理事は「母乳バンクの認知度を高められるように今後も活動を続けたい」と話していました。