障害者施設で職員に虐待を防ぐための研修会 埼玉 熊谷

福祉施設での障害者への虐待に関する相談や通報が相次ぐなか、埼玉県内で障害者施設を運営する事業所が職員に対し、虐待を防ぐための研修会を開きました。

厚生労働省によりますと、昨年度=令和3年度に全国の自治体に寄せられた障害者福祉施設の職員などによる虐待についての相談や通報は3208件で平成24年度に統計を取り始めてから最も多くなりました。
埼玉県内でも過去最多となるなか、県北部で障害者支援施設を運営する事業所は28日、熊谷市で職員を対象に研修会を開きました。
はじめに、これまでに県内や全国の障害者施設などで起きた虐待の事例を取り上げながら、利用者とコミュニケーションをとることや虐待が疑われる行為を見つけたら速やかに上司に報告することを改めて確認しました。
続いて、興奮した利用者を押さえることや利用者に指示する口調で話しかけることなど18の項目について虐待にあたるか意見を交わしました。
職員たちは利用者のためだと思った行動が実は、利用者の意に反するケースもあることやコミュニケーションの大切さを学んでいました。
研修を行った障害者支援グループホーム「グランドわおん」の鈴木俊雄代表は「虐待は、どこの施設でも起こりうるので、何度も研修を行うことが必要だ」と話していました。