東京23区 学童保育 国の基準満たすのは2区にとどまる

東京23区の自治体に、学童保育について、NHKがアンケート調査したところ、国が基準としている児童1人あたりの面積と、1クラスあたりの人数のいずれも満たす自治体は練馬区と江東区の2つにとどまったことが分かりました。

共働き家庭の小学生を放課後に預かる「学童保育」について、厚生労働省は、各自治体ごとの事情は踏まえつつ、保育の質を確保するため、児童1人あたりおおむね1.65平方メートル以上の面積を確保することや、「支援の単位」と言われる1つのクラスあたりの人数をおおむね40人以下にするとしています。
東京23区の自治体に、NHKが、自治体が運営、または委託する学童保育についてアンケート調査した結果、児童1人のあたりの面積の基準について、区内のすべての施設が国の基準を守っていると答えたのは、16の自治体に上りました。
一方で、1クラスあたりの人数を満たしているのは、新宿区、江東区、練馬区の3つの区だけで、16の自治体は、基準を満たす施設は半数以下と回答しました。
面積と人数の両方の基準をすべての施設が満たすと回答した自治体は、練馬区と江東区の2つにとどまりました。
保育に詳しい日本総研の池本美香主任研究員は「大規模集団での保育は、騒々しさによる音の問題や支援員との関係などを考えると課題だ。基準を守って集団の単位を絞る必要があるのではないか」と話しています。

学童保育における国の基準を、自治体がどのように守るかは、「参酌基準」とされています。
「参酌基準」とは、自治体が、国の法令を十分に参照したうえで、判断しなければならない基準を指します。
ただ、地域の実情に応じて異なる内容を定めることもできます。
一方、国で一律に定めるものは「従うべき基準」とされ、自治体はこれに従う必要があります。