地震で緊急停止の舎人ライナー脱輪 列車の揺れ増幅か

おととし、地震で緊急停止をする際、脱輪した日暮里・舎人ライナーについて、国の運輸安全委員会は16日、事故現場付近で列車の揺れが増幅された可能性が考えられるとする調査報告書をまとめました。

おととし10月、震度5強の揺れを観測した東京・足立区で、新交通システム、日暮里・舎人ライナーが、緊急停止をする際、脱輪し、乗客8人がけがをしました。
日暮里・舎人ライナーは、ゴムタイヤのついた列車が左右の壁にあるガイドレールに従って無人の自動運転で走行する仕組みになっています。
国の運輸安全委員会の調査報告書によりますと、事故現場付近の地盤の特性や橋脚の揺れ方の影響で列車の左右の揺れが増幅され、先頭車両の一部がガイドレールに乗り上げて脱輪した可能性が考えられるとしています。
また、乗客の避難のため次の駅に列車を移動させようと、車両が脱輪していることを確認しないまま、自動停止していた送電を再開し、火花が散って列車内に煙が入り込む事態も起きていたということです。
このため運輸安全委員会は、東京都交通局に対し、現場付近の施設について地震の対策をするとともに、避難誘導の方法や手順を整理し、周知徹底するよう勧告しました。