マスク着用緩和 高齢者の介護施設はリスク増を懸念
マスク着用の緩和について、重症化リスクが高い高齢者が暮らす介護施設では、今後、マスクを付けない人が増えれば高齢者に感染させてしまうリスクが増えるのではと懸念の声が聞かれました。
高齢者50人余りが入居する東京・文京区の介護付きホームでは、3年前の2020年以降、職員のマスク着用は必須で、面会に訪れる家族にも着用を求めています。
この日、入居する90代の母親の面会に来た50代の女性は、検温や手洗いを済ませたあと、お互いにマスクをして会話を楽しんでいました。
当初は感染防止のため、屋内にいる高齢者と窓越しにスピーカーを使って会話してもらう方法で面会していましたが、「家族と直接話したい」という要望も多く、おととし秋から対面での面会を再開させました。
去年11月下旬からは1回「5分」だった面会時間の制限を「1時間」に延ばしたうえ、パーティションを外して直接触れ合えるようにしましたが、施設で1人でも感染者が出れば、面会を制限しているということです。
政府は医療機関や介護施設などを訪ねる際はマスクの着用を推奨する方向ですが、面会した女性は「マスクを外せるなら外して母親に会いたいと思いますが、こういった施設では高齢で基礎疾患がある人も多いので、予防の観点でも必要だと思います」と話していました。
施設では、高齢者が重症化しやすいことや施設内で広がるおそれもあることから、今後もマスクの着用を徹底するとしています。
施設を運営する社会福祉法人「三幸福祉会」の柳沼亮一企画開発部長は「これから世の中がどんどん緩和ムードになってくると、マスクを付けない人が増えて、家族も職員も感染しやすくなり、私たちが媒介になって高齢者に感染させてしまうリスクが増えることを懸念している。感染防止の意識を日々確認し、よりいっそう徹底していきたい」と話していました。