長野 小谷村 雪崩の現場で見つかった男性2人 死亡確認

29日、長野県小谷村のスキー場のコース外にあたるバックカントリーで起きた雪崩で、現場周辺から心肺停止の状態で見つかった男性2人の死亡が確認されました。
警察は、雪崩に巻き込まれた外国人の男性2人とみて確認を進めています。
29日午後2時半ごろ、長野県小谷村にある栂池高原スキー場のコース外にあたるバックカントリーで雪崩が発生し、スキーなどをしていた外国人の3つのグループの合わせて10人以上のうち4人が巻き込まれ、このうち男性2人が意識不明になっていました。
警察は2人が取り残された現場周辺の捜索を行い、午前10時半すぎに1人を、さらに10分後にもう1人をいずれも雪の中から見つけました。
警察によりますと、2人とも男性で心肺停止の状態で見つかり、さきほどいずれも死亡が確認されたということです。
警察は、雪崩に巻き込まれた外国人の男性2人とみて確認を進めています。
現場は、白馬乗鞍岳にある標高2100メートル余りの天狗原の東側の斜面だということです。
【バックカントリーとは】
「バックカントリー」はスキー場の敷地外にあたり、私有地ではない誰もが利用できる山岳エリアのことで、滑走は禁止されていません。
ただ、危険な箇所もあるため注意を呼びかけているスキー場もあります。
【バックカントリースキーとは】
こうした手つかずの自然のなかでスキーすることを「バックカントリースキー」と呼び、スキー場にはない急な傾斜やまだ誰も滑っていないふかふかの雪の上を滑ることができるため、日本人だけでなく外国人のスキーヤーからも人気を集めています。
【魅力とは】
人気を集めている理由について日本バックカントリースキーガイド協会の長井淳さんは「スキー場のような管理されていない自然のなかを自分の判断で登って、安全を確保しながら降りていくのが魅力だ。ゲレンデでは見られない景色や環境、雰囲気がある」と話します。
【毎年遭難が相次ぐ】
しかし、急な傾斜や未整備のところを滑るため、事故も相次いでいて、長野県警察本部によりますと、バックカントリーでの遭難事故は統計をとりはじめた平成27年以降、多いときで7人にのぼり、毎年、少なくとも2人が死亡しています。
ことしはまだ1か月もたっていませんが、長野県内では2人が死亡し、2人が行方不明になっています。
【危険性】
長井さんはバックカントリースキーの危険性について「スキー場のように雪崩が起きないように管理されていないので、その分のリスクはある。雪崩だけなく、木への衝突や滑落の可能性も高くなる」と指摘します。
【どう楽しめばいい?】
では、安全に滑るためにはどうすればいいのか。
長井さんは「吹雪で雪が多いなら雪があまり降っていないところに移動するとか、急斜面がダメだったら急斜面ではなく楽しめるところを選ぶ。天気やコンディションによって遊ぶ場所を変えることが大事だ。楽しさよりも安全度の高い山の尾根や傾斜の緩やかな場所を選ぶことが重要だ」と天候条件や地形を調べ、楽しさより安全度を重視すべきだといいます。
また、初心者や経験が浅い人については「リスクを下げる地形選択を理解している人と一緒に行動することが初心者にはいい。しかるべき資格を取ったり勉強したりしているガイドと利用することが安全だ」と話しています。