トキの羽の色 生殖羽の灰色に変化していく様子が観察される

国の特別天然記念物、トキの羽の色が、水浴びを繰り返して生殖羽と呼ばれる灰色に変化していく様子が新潟県佐渡市で観察されました。

トキは繁殖に向けた求愛期に入ると首周辺の皮膚から剥がれ落ちる黒い物質を水浴びの際に羽にこすりつけ、頭から背中にかけて羽の色が灰色に変化します。
19日は佐渡市内の田んぼの水たまりに10羽のトキが次々に入り、20分ほどかけて水浴びを繰り返しながら、首を羽にこすりつけ、羽の色が少しずつ濃くなっていく様子が観察されました。
環境省によりますと例年は12月下旬ごろから羽の色が灰色に変化したトキが確認されていますが、今シーズンは今月6日にこうしたトキを確認したという情報が発表されています。
トキは今後も水浴びを繰り返して、3月ごろにはほとんどの個体で羽の色が灰色に変化するということです。
環境省佐渡自然保護官事務所の澤栗浩明首席自然保護官は「羽が灰色になることで自分が繁殖可能なことを示すとともに、繁殖期に外敵から身を守る保護色になっていると考えられている」と話していました。