都のモニタリング会議“BA.5が減 新変異ウイルスに警戒”
新型コロナの第7波の主流だったオミクロン株の「BA.5」の都内の感染者数の割合が減少し、新たな変異ウイルスへの置き換わりが進んでいるとして、専門家は今後、新規感染者が急激に増えることに警戒が必要だとしています。
12日、都内の感染状況と医療提供体制を分析・評価するモニタリング会議が都庁で開かれ、専門家は4段階ある警戒レベルのうち感染状況は上から2番目を、医療提供体制は最も深刻なレベルを維持しました。
また、会議では、去年1年間のゲノム解析の最新結果が報告されました。
それによりますと、9月には全体の98.4%を占めたオミクロン株の「BA.5」の割合が、先月には60.6%にまで減少した一方、新たな変異ウイルスの割合が増えています。
このうち、アメリカで急速に感染が広がっているオミクロン株の1つ、「XBB.1.5」は先月1日に初めて都内で確認されて以降、これまでに15例確認されているということです。
都によりますと「XBB.1.5」は「BA.5」よりも感染力が強いと想定され、ワクチン接種による免疫を逃れる能力が高い可能性があるということです。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「置き換わりが進む過程で、新規感染者数が急激に増えることに警戒が必要だ」と話していました。
オミクロン株の1つ、「XBB.1.5」は、複数のタイプの新型コロナウイルスが組み合わさった変異ウイルスです。
去年春ごろから日本国内でも広がったオミクロン株の「BA.2」の2つのタイプが組み合わさった変異ウイルス「XBB」に、さらに変異が加わっています。
12日開かれた東京都のモニタリング会議では先月1日に初めて都内で確認されて以降、これまでに15例確認されていると報告されました。
厚生労働省の専門家会合は、WHO=世界保健機関などで感染者数の増加につながっている可能性が指摘されているものの、感染性や重症度に関する疫学や臨床の知見はないとしていて、諸外国の状況などを分析するとともに、ゲノム解析による監視を続けることが必要だとしています。
「XBB.1.5」について東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「免疫から逃れる性質だけでなく感染力がさらに強まっている可能性が指摘されている。このウイルスの流入でいまの第8波が長引くことも懸念される」と話しています。