円安影響 千葉大学 図書館で海外雑誌の購読取りやめも
記録的な円安の影響で、千葉大学の図書館では電子版の学術雑誌のうち一部の海外分の雑誌の購読を取りやめざるをえない状況になっていて、研究活動への影響も懸念されています。
千葉大学附属図書館では、電子版の学術雑誌、「電子ジャーナル」をおよそ2万タイトル、年単位で購読契約しています。
このうち海外のものは、出版社側の都合で毎年、平均5%以上の値上がりが続いていたということで、大学は、複数年の契約で購読料を抑えたり一部の購読を取りやめたりして対応してきました。
しかし、ことしに入っての記録的な円安の影響で、来年度はこれまで以上に値上がり幅が大きくなる見通しだということです。
このため、大学は、来年度、600タイトル以上の購読を取りやめることを決めました。
こうした海外の雑誌が読めなくなることで、教員や大学院生などによる研究活動への影響も懸念されています。
大学では、購読を取りやめた雑誌に掲載された論文を読みたい場合、他の大学の図書館などから取り寄せる際のコピー代や郵送代を大学側が負担するなどの対応を取っています。
男子学生は、「国立大学としての蔵書数や質が魅力的でしたが、今後、資料が買えなくなることで授業の質が落ちないか懸念があります」と話していました。
千葉大学附属図書館の鈴木宏子利用支援企画課長は「予算に限りがある中で購読の維持は非常に大変です。無料で見られるオープンアクセスの論文を推進しながら、より有利な契約を検討するなどしていきたい」と話していました。