忙しい師走 エスカレーター“歩かずに立ち止まって乗って”

あいさつ回りや年の瀬の準備など忙しい日々を過ごす人が多くなる師走。
駅などでエスカレーターを駆け下りたり駆け上がったりする人も多く見られますが、事故の防止や障害者やお年寄りにも優しい乗り方であることなどから全国の鉄道事業者などが中心となって歩かずに立ち止まって乗ることを呼びかけています。

呼びかけをしている団体の1つ、東京都理学療法士協会では脳卒中などで体の片側にまひがあるなどどちらかの手すりにつかまりたい人もいることから歩く人のために片側を空ける習慣を変えようと2016年からエスカレーターには立ち止まって乗るよう呼びかけを行っています。
首都圏ではエスカレーターの右側を開けて止まって乗るのは左側という習慣がありますが、協会によりますと、高齢者からは、右側を駆け上がる人がいるとぶつからないか不安に感じたり実際に転んでしまったりする人もいるということです。
東京消防庁のまとめによりますとおととしの1年間ではエスカレーターで起きた事故で1069人が救急搬送され、このうち、高齢者が7割以上を占めました。
また、今月1日にはJR秋葉原駅のエスカレーターで立ち止まって乗っていた80代の男性に「邪魔だ」と言って蹴るなどの暴行を加えたとして61歳の容疑者が逮捕される事件も起きました。
協会では、止まって乗ることを呼びかけるポスターや「わけあってこちら側で止まっています」と書かれたキーホルダーを作成しているほか、正しい利用方法を呼びかけるイベントなどを行って啓発を進めています。
理学療法士の齋藤弘さんは「なぜ右側で止まって乗っているかということを周りの人が考えることが一番大事で、それがやさしい街づくりにつながると思う」と話していました。
エスカレーターの乗り方に詳しい江戸川大学の斗鬼正一名誉教授は「歩かないほうがいいと思う人が増えているが、同調圧力が強く自分だけ反対側に立つことができないと感じる人もいる。コロナで横並びが不安という人もいると思うが、その場合は、左右交互、じぐざぐに乗っていく方法もある。左右どちらかにしか立てない人がいることやどっちに立ってもいいことをみんなで認識し、心にゆとりをもった社会を目指すことが必要だ」と話していました。