小笠原 海底火山「海徳海山」 変色水の範囲さらに広がる
小笠原諸島の海底火山、「海徳海山」では、ことし8月以降続く海水の色が変わる「変色水」の範囲が拡大していることが確認され、気象庁と海上保安庁は引き続き付近を航行する船舶に警戒を呼びかけています。
海上保安庁によりますと今月25日の午後2時前、小笠原諸島の硫黄島の北にある海底火山、「海徳海山」付近で海面が直径およそ300メートルにわたって黄みがかった白色に変色しているのが、上空からの観測で確認されました。
さらに、そこから南西に幅1キロ、長さ10キロにわたり変色水が流れているのも確認されました。
海徳海山の付近ではことし8月以降、海水の色が変わる「変色水」が確認され、気象庁は引き続き周辺の海域に噴火警報を発表しています。
気象庁と海上保安庁は今後も海底噴火が発生する可能性があるとして、付近の海域を航行する船舶に警戒を呼びかけるとともに、噴火した場合には軽石などの浮遊物にも注意してほしいとしています。
今回の観測結果について、航空機に同乗した東京工業大学の野上健治教授は「変色水の範囲は8月のあと前回調査の先月12日で広がり今回もっと広がった。8月はうっすらとしていたのが今回は濃度も濃くなった。簡易な計算だが、当初と比較すると面積は100倍近くになり火山活動が加速度的に高まっているといえる。今後、軽石を噴出した1984年のような噴火活動になるおそれもあり、推移に注意が必要だ」と話しています。