新潟 新発田 8年前の女性殺害事件裁判 検察が死刑を求刑

8年前、新潟県新発田市で当時20歳の女性の車に乗り込み連れ去ったうえ、殺害した罪などに問われている被告の裁判員裁判で、検察は「身勝手極まりない無差別的な犯行で、更生は期待できない」と述べて死刑を求刑しました。

喜納尚吾被告(39)は、8年前の平成26年1月、新潟県新発田市で、出勤中だった当時20歳の会社員の女性が運転する車に乗り込んでわいせつ目的で連れ去ったうえ、殺害した罪などに問われています。
7日、新潟地方裁判所で開かれた裁判で、検察は検出されたDNA型などから女性を殺害したのは被告だと主張したうえで、「身勝手極まりない無差別的な犯行で、落ち度のない女性の命が奪われた結果は重大だ。生命軽視は甚だしく、更生は望めず、悪質性や残虐性から極刑を回避する事情はない」として死刑を求刑しました。
さらに、被告がこの事件で起訴される前に、相次いで女性を襲い1人を死亡させたとして無期懲役の判決が確定していることにも触れ、「犯行動機や情状面で考慮されることは許される」と述べました。
一方、弁護士は、女性は事故で亡くなった可能性があるとしたうえで検出されたDNA型について「資料汚染の可能性などもあり、犯人と断定できる証拠にはならない。目撃者の記憶も曖昧で、犯人で間違いないとは言えない」などと無罪を主張しました。
また、被告は「最初から述べているとおり、私はこの件に関係していません」などと述べました。
判決は、今月18日に言い渡されます。

喜納被告は、今回の殺人事件で逮捕・起訴される前に、新潟県内で4人の女性に性的暴行するなどして、このうち1人を死亡させた罪などで平成30年に、無期懲役が確定していました。
逮捕された平成26年には勾留の手続きの途中で新潟地方裁判所の窓から逃げだし、およそ5分後に350メートルほど離れたところで取り押さえられる事件も起こしました。
これらの事件については平成27年12月、新潟地方裁判所で無期懲役の判決が言い渡され、平成30年に最高裁で確定していました。
その後は刑務所に服役していましたが、おととしになって、平成26年1月に当時20歳の女性を連れ去り、殺害していた疑いがあることがわかり再び逮捕・起訴されました。

有罪が確定したあとに余罪とみられる事件が発覚した場合、刑の重さはどう判断されるのでしょうか。
平成13年に大阪市内の薬局で経営者の女性が殺害され、現金が奪われた事件では、別の強盗殺人事件で無期懲役が確定していた被告が服役中に逮捕・起訴されました。
裁判で検察は「以前起こした強盗殺人事件も刑の重さに考慮すべきだ」として死刑を求刑しましたが、1審の大阪地方裁判所は「以前の強盗殺人事件の反省もないまま犯行に及んだ点は誠に悪質だ」と指摘した一方、計画性が認められないなどとして新たに無期懲役を言い渡し、その後確定しました。
刑事裁判ではすでに確定した罪を再び処罰することは禁じられていますが、この裁判で最高裁判所は「確定した事件を今回の犯行に至る重要な経緯などとして考慮することは許される」という考え方を示しています。
では、新たに刑が言い渡されるともともと確定していた刑の執行はどうなるのでしょうか。
いずれも有期の刑の場合は、確定すれば両方とも執行されます。
例えば、懲役13年が確定していた被告がその後、新たに懲役15年が確定した場合には事実上、28年間服役することになります。
ただ、新たに言い渡された刑が死刑のときは「凶器などの没収を除いてもともとの刑は執行しない」、無期懲役や禁錮の場合は「罰金や科料、没収以外の刑は執行しない」とされています。
無期懲役で服役していた被告が新たな事件について有罪と判断され、無期懲役または死刑の判決が言い渡されれば、その時点ではすでに確定している無期懲役と新たな判決の刑が併存する形となります。
確定すれば服役していた無期懲役については刑の執行が停止され、新たに言い渡された刑が適用されます。