映画館「渋谷TOEI」閉館へ 69年の歴史に幕下ろすことに

東京・渋谷の街で親しまれてきた映画館「渋谷TOEI」がことし12月に閉館し、69年の歴史に幕を下ろすことになりました。
運営会社は「大型の映画館が増えるなか、新型コロナの影響も重なって来場者が伸び悩むなど運営が難しくなった」としています。

「渋谷TOEI」は大手映画会社「東映」の初めての直営の映画館として1953年に開館し、ビルの建て替えに伴うリニューアルなどを経ながら69年にわたって営業してきました。
運営会社によりますと、最初に上映されたのは、邪馬台国の女王、卑弥呼を描いた「日輪」でした。
また、渋谷の街でも撮影が行われた深作欣二監督の「バトル・ロワイアル」の上映には多くの映画ファンが訪れたということです。
さらに人気アニメーションも上映され、幅広い世代に親しまれてきました。
こうしたなか、運営会社は、ことし12月4日に「渋谷TOEI」を閉館することを決めました。
シネマコンプレックスと呼ばれる大型の映画館が増えるなか、新型コロナの影響も重なって来場者数が伸び悩むなど、運営が難しくなったと説明しています。
子どもと訪れた30代の女性は「好きな作品を見てそのたびに感動した楽しい思い出があります。閉館と聞いてびっくりしました。少し悲しいです」と話していました。
「東映」の内藤恵広報室長代理は「多くのファンから思い出や懐かしむ声が寄せられています。映画館は大きなスクリーンでエンターテインメントを体験できる醍醐味があります。是非、閉館までに足を運んでください」と話していました。

映画業界に詳しいライターのよしひろまさみちさんは「本当にがっかりですけれども都内では銀座や新宿に大きな映画館が増えるなかいつかこういう日が来るだろうと思っていました。『TOEI』も含めて渋谷に映画を見に行ったあと、買い物や食事もとフルパッケージで楽しむ人がたくさんいたので本当に残念です」と話しています。
そのうえで「昔から渋谷は若者文化の発信地として知られていますが、その文化のひとつである映画の役割をこれからも考えてほしい」と話していました。