訴訟で被告国側 裁判手続きを無断録音 原告側「厳重抗議」

在日アメリカ軍基地での労災をめぐる訴訟で被告の国側として非公開の手続きに参加していた防衛省の職員が無断で内容を録音していたことがわかりました。
裁判官の許可を得ずに録音することは禁じられていて原告側は「信頼関係を損なう行為を国が行ったことに厳重に抗議する」としています。

これは在日アメリカ軍横須賀基地での労災をめぐり、女性が国に賠償を求めている裁判で原告の代理人を務める笠置裕亮弁護士が12日、明らかにしたものです。
弁護士などによりますと11日、横浜地方裁判所横須賀支部で行われた「弁論準備」と呼ばれる非公開の手続きで、国の指定代理人を務める防衛省の職員がICレコーダーを使って、禁じられている録音をしていたことがわかりました。
国側がいったん退席した際に、弁護士が録音状態になっているICレコーダーを見つけ、裁判官の立ち会いのもとで内容を確認したところ、11日の手続きでのやりとりや、別の日に行われた手続きの内容も録音されていたことがわかったということです。
笠置弁護士は「弁論準備の手続きの秘密性を全く理解しておらず、言語道断だ。信頼関係を損なう行為を国が行っていて厳重に抗議する」と話していました。
国が関わる裁判を担当する法務省訟務局は「防衛省の職員がきのうの手続き中に録音をしていたのは事実だ。現在、調査中であり、現時点でのコメントは差し控える」としています。

横浜地方裁判所によりますと、弁論準備手続きでは民事訴訟規則で裁判官の許可なく、録音をすることは禁止されているということです。
横浜地方裁判所は「国の指定代理人が裁判体の許可を得ることなく、録音していた事実は把握しており、遺憾だ。事実関係を確認のうえ、関係機関への申し入れを含めて厳正に対応する予定だ」としています。

国が関わる裁判を担当する法務省訟務局によりますと11日、横浜地方裁判所横須賀支部で行われた非公開の裁判手続きには、国側からは法曹資格をもつ訟務検事1人のほかに、指定代理人として防衛省と東京法務局の職員が出席していたということです。
法務省訟務局は「防衛省の職員が手続き中に録音していた。詳細については防衛省と法務省で関係者から聞き取りを行って調査中のため、現時点ではコメントは差し控える」としています。

防衛省は、ICレコーダーは防衛省の職員のもので録音状態にあったことを認めたうえで「詳細は調査中で、事実関係を確認して適切に対応する」とコメントしています。