長野 軽井沢町 バス事故裁判 社長と元社員に禁錮5年求刑
大学生など15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故の裁判で、業務上過失致死傷の罪に問われているバス会社の社長と元社員に対し検察は「過失責任は重大だ」などとして禁錮5年を求刑しました。
6年前の2016年1月、長野県軽井沢町でスキーツアーのバスがカーブを曲がりきれずに道路脇に転落して乗客の大学生など15人が死亡し、26人がけがをしました。
この事故でバスを運行していた東京の会社、「イーエスピー」の社長、高橋美作被告(61)と運行管理担当の元社員、荒井強被告(54)は、大型バスの運転に不慣れな運転手が死傷事故を起こす可能性があると予見できたのに、必要な訓練をしなかったなどとして業務上過失致死傷の罪に問われています。
これまでの裁判で2人は「事故を予見することはできなかった」などとして無罪を主張しています。
11日に長野地方裁判所で行われた裁判では遺族による意見陳述が行われ、このうち、亡くなった西原季輝さんの(当時21)母親は「今回の事故は人災だ。被告には、自分の子どもの骨を拾うことの悲しみを考え続けて欲しい」と述べました。
続いて検察は、社長について「元社員に運行管理を任せ、責任感が欠如していた。運行管理のずさんさを認識していたのに適切な指導を行わなかった。過失責任は重大だ」などとして禁錮5年を求刑しました。
また、元社員については「収益拡大を優先して、運転者の教育を行わないなど、ずさんな運行管理を改めなかった」などとして同じく禁錮5年を求刑しました。