東京 葛飾区 学校給食完全無償化 それ以外の区の対応は

東京・葛飾区が、区立の小中学校の給食費を来年春から完全無償化する方針を示したことを受け、NHKは東京23区の葛飾区以外の対応を聞きました。
その結果、半数以上の13の区が「現時点で完全無償化は考えていない」とした一方、残る9つの区は、「検討中」や「未定」としていて現時点で明確に無償化方針を決めている自治体はありませんでした。

東京・葛飾区は、23区で初めて区立の小中学校の給食費を来年春から完全無償化する方針を先週、示していて、無償化に必要なおよそ17億円の費用を来年度の当初予算案に盛り込むことにしています。
葛飾区によりますと、完全無償化方針について、都内外の自治体から制度の仕組みや狙いについて問い合わせが寄せられているということです。
NHKは、東京23区の葛飾区以外の自治体が学校給食の完全無償化についてどう対応するのかそれぞれの区に聞いたところ、半数近くの13の区は「現時点で完全無償化は考えていない」としました。
その理由について千代田区は「区内の子どものうち一定数は私立の学校に通っており公立の学校のみ給食費を無償化すると不公平感が出る」としています。
また、板橋区は「老朽化した学校の改修や改築など給食費完全無償化よりももっと優先度が高い事業があると考えている」としています。
江戸川区は「第3子以降の無償化や生活困窮世帯の実質無償化は対応しているが、完全無償化は、多額の予算が必要になり財源の捻出が困難」だとしています。
さらに、港区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、練馬区は「学校給食法に、給食費は『保護者の負担』と明記されており、それを守っている」などとしています。
これについて葛飾区は「学校給食法が定める保護者の負担分は区が補助することができる」としていて、文部科学省も、法律は、自治体が保護者分を負担して無償化することをさまたげるものではないとしています。
一方、「完全無償化できるかどうかを検討中」と回答したのは世田谷区で「財源が確保できる見通しが立つかどうか検討している」などとしています。
また、「未定」と答えたのは、中央区や杉並区など8つの区でした。
杉並区は岸本区長がことし6月の区長選挙で給食費の無償化を訴えて当選しましたが、区は「財源も限られるなか、実現可能性や優先順位も考えて今後検討していく段階で短期的には判断ができない」としています。
給食費の完全無償化をめぐっては、千葉県市川市が中学校と特別支援学校が来年1月から小学校は来年4月から完全無償化することにしています。

学校の給食は、子どもの食生活を改善させるため戦後、全国的に普及し、今では小学校ではほぼ100%、中学校でも90%近くで実施されています。
その費用のうち、管理運営に関わる費用などは、自治体が負担することになっていますが、パンや米、牛乳など、食材にかかる費用は、原則、保護者の負担とされています。

給食費の完全無償化について、葛飾区在住で、中学生と高校生の子どもを持つ40代の女性は「物価高もあり、もろに家計に負担がかかってくるので、給食費を無償にするのはいいと思う。ただ、細かく見ると保育園を増やしたり、保育士への費用など子どもに対する安全対策といったことをやってほしいなと思う」と話していました。
葛飾区に住み、小学生の娘をもつ50代の男性は「毎月のことだから、給食費の無償化はありがたい。ただ、葛飾区は交通の便が悪いところなので、コミュニティバスなどのために予算を使うのもいいのではないかとも思う」と話していました。
一方、葛飾区に隣接する江戸川区に住む60代の女性は「子どもが第一です。子どもが育たないと、次の世代がいなくなるし、子どものためにお金を使うのはいいことだと思う」と話していました。
また大田区に住む50代の女性は「葛飾区が単独で給食を無償化するなら子どもたちみんな平等に全国的に無償化したらどうか」と話していました。