東京 葛飾区 補助金誤支給 保育所へ返還求める方針示す

東京・葛飾区による保育所への補助金誤支給問題で、区は基準に基づかない支出のため保育所に返還を求める権利を行使せざるを得ないとして、誤支給があったすべての園に返還を求める方針を区議会に示しました。

東京・葛飾区は、パートタイムの保育士などを雇用した私立の認可保育所への補助金を4年間にわたって実際に支払うべき金額よりも多く支給し、その総額は5億円余りにのぼっています。
31日の区議会の委員会で、青木区長は誤支給があった72の保育所に誤支給分の返還を求める方針を示しました。
区は当初、誤支給は区のミスによるもので、保育所側から「返還は難しい」といった声が出ていたことなどから人件費などとして適切に使っていたのであれば、返還を求めないことを検討し、雇用実態などを確認する調査も行いました。
区は、返還を求めることについて法律的な問題点などを確認した結果、基準に基づかない支出のため、区には返還を求める権利があり、その権利を行使せざるを得ないためと、その理由を説明しました。
これに対し議会側からは「保育所の調査の調査の詳細な報告書を示すべきだ」とか「専門家などによる第三者委員会を立ち上げて検証を行うべきだ」といった意見も出ました。
区は1日、園長会を開いて理解を求めることにしています。
ただ、返還を求める額が多いところでは4000万円余りにのぼることから、保育所の経営に支障が生じないよう配慮しながら保育所と相談して返済計画を作成したいとしています。

ことし6月に明らかになった東京・葛飾区の補助金誤支給は、パートタイムの保育士などを雇用した私立の認可保育所への補助金を4年間にわたって実際に支払うべき金額よりも多く支給したもので、その総額は5億円余りにのぼっています。
誤支給は区の事務的なミスが原因で起きました。
区によりますと平成30年度から職員が作成した表計算ソフトのシートで補助金の算定を行っていましたが、計算式が対象の保育士らの人数を最大で2倍にする誤った設定になっていたということです。
シートはほかの職員のチェックを受けないまま4年間にわたって使用されていました。
誤支給を受けて区は、当初、対象の保育所に返還を求めることを検討していました。
しかし、6月17日に行われた臨時の園長会で、区は、パート保育士らの人件費などとして適切に使われた補助金については返還を求めずに対応することができないか検討する方針を示しました。
青木区長は「保育所に責任はなく、返還の問題については、結果として保育サービスが充実したのであれば、返還を求めないことはやむを得ないと思っている」と述べていました。
区は先月、誤支給があった72の保育所で補助金が適切に使われていたかを確認する調査を行い、4年間分の雇用契約書や賃金台帳などをチェックする方針を説明し先月28日から今月12日にかけて調査が行われました。
ただ、31日の区議会の委員会で区は、返還を求める理由として調査の結果ではなく、法律的な問題を挙げ、基準に基づかない支出のため、区には返還を求める権利があり、その権利を行使せざるを得ないとして返還を求める方針を示しました。

葛飾区の青木克徳区長は、委員会のあと会見し「誤支給は区側に責任がある。返還を求めない方向で保育園に説明した。結果として期待をさせてしまったことは事実で返還を求めることになったことをおわびしたい」と述べました。
そして、みずからの給与について20%減額を3か月などとする条例案を来月開会の区議会に提案する考えを示しました。

区議会の委員の1人、小林ひとし議員は、委員会のあと記者団に対し「法律にのっとって判断していればすぐに結論が出たことだ。区が行った調査について、第三者委員会を設置して調査を継続するべきだ」と述べました。