“エアコンを「サブスク」で” 一部の自治体で事業始まる

熱中症による死亡を防ごうと、省エネ性能が高いエアコンを初期費用を抑えながら毎月2000円程度の定額で利用できる事業が一部の自治体で始まっています。

環境省では、熱中症で亡くなる人の多くが屋内でエアコンを使っていない状況だったとして、毎月定額の料金を支払うことで初期費用を抑えながら省エネ性能が高い最新のエアコンを利用できるモデル事業をことしから実施しています。
家庭用エアコンについては4つの自治体が参加し、このうち栃木県鹿沼市や埼玉県熊谷市では、月額1800円から1900円で利用でき、5年間の契約満了後はそのまま無料で使えます。
環境省が標準モデルとの差額分を負担することで、機能性の高いエアコンを通常より費用を抑えて使ってもらう仕組みです。
65歳以上の高齢者や18歳以下の子どもがいる世帯を対象に募集したところ、175世帯の枠に熊谷市では444世帯、鹿沼市では254世帯と、募集枠を超える応募がありました。
鹿沼市では、市内の気温が上昇傾向にあることや、救急搬送される熱中症患者の半数以上が高齢者で、屋内にいた高齢者が亡くなったケースもあったことから、事業への参加を決めたといいます。
鹿沼市環境課の羽石省吾さんは「熱中症予防にエアコンは大変効果がある一方で、初期費用が課題になっている。今回のモデル事業は、夏のエアコンの使用実態などのデータ収集も行うのでその結果も活用しながら、熱中症による死亡者ゼロを目指していきたい」と話しています。

今回のモデル事業を活用して、20年前に購入した古いエアコンを替えた夫婦もいます。
モデル事業に応募した栃木県鹿沼市の田多井安曇さん(69)と祐美子さん(69)の夫婦は、居間と台所をあわせた16畳分のスペースに、20年前に購入した6畳用のエアコン1台を設置しています。
エアコンをつけても、部屋全体に冷気が十分に行き渡らず、室内で暑さを感じることもあったといいます。
使用時に生じる音にも悩まされていましたが、壊れてはいなかったため買い替えを見送っていたほか、地球温暖化への影響や光熱費への意識からエアコンの使用をためらっていたといいます。
市の広報で、月々1900円という低価格で10畳用の省エネ性能の高い最新のエアコンを利用できると知り、今回の事業に申し込みました。
安曇さんは「国などから『暑いときはエアコンをためらわず使って下さい』と言われますが、電気代は結局個人が払うため今までは控えがちでした。今後は使いやすくなると思います」と話していました。
妻の祐美子さんは「地球温暖化のことを考えると、好き放題使用していいのかなと思い、これまでは室温が32度になるまでつけていませんでした。電気代の値上がりもある中で省エネなのは助かります。これからはつらいと思ったらつけると思います」と話していました。