児童館の利用者 新型コロナ感染拡大の影響で大きく減少

全国の児童館の利用者が新型コロナウイルスの影響で大きく減少していたことが一般財団法人の調査でわかりました。
専門家は「児童館のニーズが減ったわけではなく、誰でも利用できる身近な施設としてコロナ禍のような状況のなかでも対応できる体制作りが求められる」と話しています。

この調査は「児童健全育成推進財団」が厚生労働省の補助事業として5年に一度行っていて、全国3600か所余りの児童館から回答を得ました。
それによりますと、令和2年度の年間の利用者数は小型の児童館と児童センターの平均でおよそ1万人で、前回調査の平成27年度と比べて半分ほどに減少していました。
大型の児童館の利用者は平均10万7000人余りで、前回調査のおよそ4割に減少していました。
新型コロナウイルスの感染が拡大した年で、休館や利用者数の制限もあって大きく減少したとみられています。
児童館の活動には、遊びによる子どもの育成や居場所の提供のほか、家庭などに悩みを抱えていたり虐待が疑われたりといった「配慮を必要とする子どもへの対応」や「子育て支援」などもありますが、調査では、「保護者による虐待を発見した」と答えた児童館は8.8%と、前回より6ポイント余り少なくなりました。
調査結果を分析する主任研究委員を務めた立正大学の大竹智教授は「子どもと対面で話せないなかで虐待などの早期発見にも影響が出たと見られる。利用者数が減少したのは児童館のニーズが減ったわけではなく、誰でも利用できる身近な施設として来館しなくても相談できるなどコロナ禍のような状況のなかでも対応できる体制作りが求められる」と話しています。

新型コロナの影響があるなかで子どもたちの見守りや保護者への支援をどう継続するのか、各地の児童館では試行錯誤してきました。
このうち埼玉県川口市の「市立戸塚児童センターあすぱる」は、新型コロナの感染が拡大した2年前、3月から5月にかけて89日間にわたって休館しました。
それまでは一日平均およそ250人の利用者があり、遊びや運動などを通して子どもだけでなく保護者どうしがつながることができる場になっていたといいます。
休館している間、児童館の職員は、子どもの様子が分からなくなることや育児に不安を感じている保護者のことが心配になり、公園を見て回ったり家庭に電話をかけたりして見守りを続けました。
その後は利用者の人数を一日160人に制限するなど感染対策をしたうえで開館するようにしてきました。
新型コロナの影響があるなかでも親子が気軽に立ち寄れる場を確保したいと考えたからだということです。
1日はおよそ2年ぶりにふれあい遊びや読み聞かせの活動を再開しました。
1歳3か月の子どもと一緒に参加した母親は「なかなか外出できず、ふたりきりで過ごしていました。児童館に来ると子どもの表情が豊かになるような気がします。私自身も息抜きになりますし、なくてはならない存在です」と話していました。
この児童館の顧問の澤田幸江さんは「コロナ禍で孤独な思いをする親子が多かったと思うが、オンラインでのイベントなど新しいつながり方を学ぶこともできた。子育ては自分だけでしなくてもいい、地域のみんなで育てましょうという場所にしていきたい」と話していました。