“「無給医」の再調査を” 勤務医でつくる労働団体が国に要望

大学病院などで診療にあたっていながら給与が支払われないいわゆる「無給医」をめぐり、国が3年前に行った調査で問題が明らかになって以降も給与を支払っていない病院があるとして、労働組合が国に再調査を要望しました。

無給医とは、大学病院などで診療にあたっているにも関わらず研究や自己研さんの一環などと見なされて給与が支払われない医師たちのことです。
3年前に国が初めて実態調査を行った結果2018年9月の時点で全国59の大学病院にあわせて2800人余りの無給医がいたことが確認され、病院側は国に対して未払いの給与を支給すると回答していました。
しかし、勤務医でつくる労働組合「全国医師ユニオン」によりますと、今も給与の全額か一部が支払われていないという声のほか、無給医がいないとされた大学病院でも給与が支払われていない医師がいるという証言が複数寄せられているということです。
組合は19日、文部科学省に対し、以前、無給医がいた病院で給与が支払われたかを確認したうえで、無給医がいないとされる大学病院についても改めて調査を行うよう要望しました。
会見した「全国医師ユニオン」の植山直人代表は「無給医の多くは弱い立場にある医師で声を上げるのが難しい。大学病院の自主的な取り組みでは改善が期待できないので、国が指導や改善に取り組むべきだ」と話しています。