10代20代男性 ファイザーワクチン接種検討推奨へ 厚労省

モデルナの新型コロナウイルスワクチンをめぐって、厚生労働省は、ごくまれに若い男性で心臓の筋肉などに炎症が起きるおそれがあるとして、念のため10代と20代の男性に対し、ファイザーのワクチンの接種を検討するよう勧める方向で調整に入りました。

海外では、モデルナのワクチンの接種を受けたあと、心臓の筋肉や心臓を包む膜に炎症が起きる「心筋炎」や「心膜炎」が疑われる事例が、ごくまれに報告され、若い男性ほど多くなる傾向があります。
厚生労働省によりますと、国内でも先月12日までに、いずれも男性でモデルナのワクチンを接種した20代で100万人あたり17.1件、10代で21.6件の心筋炎などが報告され、ファイザーより、20代で100万人あたり4件、10代で19.7件上回っているということです。
厚生労働省は「頻度としてはごくまれで、軽症の場合が多く、接種によるメリットのほうがはるかに大きい」としていますが、念のため10代と20代の男性には、リスクを説明したうえで、ファイザーのワクチンの接種を検討するよう勧める方向で調整に入ったことが関係者への取材で分かりました。
1回目にモデルナのワクチンの接種を受けた場合も、2回目はファイザーのワクチンへの切り替えることを勧めるということです。
厚生労働省は、この方針を15日開く専門家部会に諮ることにしていますが、科学的根拠や年齢の線引きなどをめぐって議論が難航することも予想されます。
モデルナのワクチンをめぐっては、同じような理由でフィンランドが30歳未満の男性へのモデルナワクチンの接種を中断することを明らかにしているほか、スウェーデンも30歳以下への接種を中断してファイザーのワクチンに切り替えると発表しています。

モデルナとファイザーのワクチンは、いずれも「mRNAワクチン」と呼ばれるタイプのワクチンです。
「心筋炎」や「心膜炎」について、モデルナやファイザーは、「接種との因果関係は不明だ」としながらも胸の痛みや呼吸困難などが起きた場合は、速やかに医療機関を受診するよう添付文書で注意喚起を行っています。
また、アメリカでは、モデルナが特に2回目の接種から7日以内に発症しやすく、18歳から24歳の男性で最も発症する頻度が高いとして、添付文書で注意を呼びかけています。
一方、ファイザーも特に2回目の接種から7日以内に発症しやすく、12歳から17歳の男性で最も発症する頻度が高いとして同様に注意を呼びかけています。
いずれのワクチンもほとんどの人は症状が改善しているということです。

感染症やワクチンに詳しい、東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「30歳以下でのモデルナのワクチン接種を一時止めているスウェーデンやデンマークなどから、今後、論文なり政府の発表なりできちんとしたデータが出てくれば、もう少しはっきりわかってくると思うが、いまの段階では心筋炎が起きるのはファイザーもモデルナもほぼ同じ頻度で、メッセンジャーRNAワクチンに特異的な副反応ということが言える」と話しています。
そのうえで「心筋炎が起きる頻度はあくまでも非常にまれで、症状も軽いことが多いため、あまり心配する必要はないと思う。モデルナで心筋炎が起こりやすいかどうかある程度科学的に検証したうえで、一時停止するなどの対応を考えてもいいと思うが、現時点で日本でそういったデータは出ていない。いまの段階ではあまり心配せずに引き続きできるだけワクチンを受けていただきたい。ただ、2回目の接種を受けて、胸がちくちくするといったことがあれば、念のため、最寄りの内科を受診してワクチンを打って症状があることをお伝えしてもらうのが安全じゃないかと思う」と話しています。