飲食店取引先に一時金 業者は

新型コロナウイルスの感染拡大の中、多くの飲食店が休業や営業時間を短縮している影響で、野菜や果物を卸している業者には注文のキャンセルが相次いでいます。
売り上げの減少を条件に中堅・中小企業には最大で40万円の一時金が支給されることになりましたが、業者からは「億単位で売り上げが減少している会社にとっては意味がない」といった声が聞かれました。

千葉県野田市に食品の倉庫がある青果卸会社「フードサプライ」では、およそ5000店の飲食店に野菜や果物などを卸していましたが、緊急事態宣言が出されてから、取引先のおよそ半数の飲食店が休業し、残りのほとんど飲食店も営業時間を短縮しているということです。
これに伴い注文のキャンセルが相次いでいて、飲食店向けの在庫の大葉やミニトマトなどを中心に出荷先が見つからず、廃棄を余儀なくされています。
ドライブスルー方式で一般向けの販売を行うなど販路の開拓を進めていますが、今月の売上は、去年1月の半分ほどまで落ち込みおよそ3億円減少して赤字となる見通しだということです。
政府は、売り上げが去年の同じ月と比べて50%以上減少したことを条件に、飲食店と取り引きする中堅・中小企業などに最大で40万円の一時金を支給する方針ですが、檜原純営業統括部長は「億単位で売上が減る会社にとっては一律で40万円の一時金では意味がなく、規模に応じた支援が必要だ。農家からの仕入れも減らさざるをえない状況で心苦しい」と話していました。

飲食店の営業時間短縮に伴って高級魚を中心に価格が下落していて、千葉県銚子市では水産業者の売り上げにも影響が出ています。
水揚げ量10年連続日本一の千葉県銚子市の銚子漁港では連日、首都圏の市場やスーパー、飲食店に出荷する魚の入札が行われています。
地元の水産業者などで作る組合によりますと、2回目の緊急事態宣言が出されて以降、需要が減ったマグロやヒラメなどの高級魚を中心に価格が3割ほど下落し、売り上げを落とした水産業者が多いということです。
魚問屋の堀井博之さんは「従業員を抱えており、数十万円の一時金ではやりきれず、前回よりも長く続くようなら飲食店も弱っているので連鎖倒産する業者も出るのではないか」と話していました。
また、同じく魚問屋の島田政典さんは「一時金が出ることは悪いことではないが、買い付け金額や従業員の数がそれぞれ違うので、中長期的な対策を望んでいる」と話していました。