高校生殺害 21歳を殺人など罪で起訴 現場で撮影“落ちろ”

ことし4月、留萌市の女子高校生を旭川市の渓谷にある橋から川に落として殺害したとして21歳と19歳の女の容疑者が逮捕された事件で、旭川地方検察庁はこのうち21歳の容疑者を殺人などの罪で起訴し、19歳の容疑者を家庭裁判所に送りました。起訴状では2人が高校生を現場の橋の欄干に座らせ、その動画を撮影したうえ、「落ちろ」などと言って川に落として殺害したとしています。

起訴されたのは旭川市の無職、内田梨瑚被告(21)です。
起訴状などによりますと、ことし4月19日未明、旭川市の渓谷、神居古潭にある橋で留萌市の17歳の女子高校生を全裸にさせ欄干に座らせてその動画を撮影したうえ、「落ちろ」とか「死ねや」などと言って川に落として殺害したとして殺人と不同意わいせつ致死の罪に問われています。
また検察は、旭川市の19歳の女の容疑者を殺人などの疑いで旭川家庭裁判所に送りました。
2人は殺害の前日に初めて直接会った高校生を車に監禁しておよそ50キロ離れた神居古潭まで連れて行ったということで、捜査関係者によりますと、内田被告がラーメンを食べている様子を撮影した画像をSNSで無断で使ったことでトラブルになったとみられています。
検察は被告の認否を明らかにしていませんが、捜査段階の調べに対し、「橋から落ちたかどうかは知らない。置いてきただけだ」という趣旨の供述をし、容疑を否認していたことがわかっています。
今後は裁判でSNSのトラブルから殺害にまでいたったいきさつなどがどこまで明らかになるのかが焦点となります。

【取材記者の目】
高校生の行方がわからなくなったのはことし4月でした。
警察は、捜査員のべ200人を投入し、ドローンなども使って石狩川流域を捜索。
5月下旬に現場から60キロあまり離れた奈井江町で遺体が見つかったことなどから、すでに監禁の容疑で逮捕されていた2人を先月殺人の疑いで再逮捕しました。
一方で、殺害現場とされる神居古潭の橋に防犯カメラがなく、目撃者もいなかったことから、難しい捜査を迫られました。
そうしたなか、検察は被告らが監禁に加えて高校生を橋の欄干に座らせる動画を撮影したり、暴言を浴びせたりするなど、精神的に追い詰めた結果、死に至らしめたと判断したということです。
検察は認否を明らかにしていませんが、内田被告はこれまでに容疑を否認していることがわかっていて、今後、裁判の場でどのような証言をするのか注目されます。
(旭川局・上松凛助記者)