沈没した旧幕府軍の開陽丸を水中ドローンで中継

戊辰戦争のさなかに道南の江差町の沖合で沈没した旧幕府軍の軍艦開陽丸を水中ドローンを使って中継するイベントが29日、開かれました。

開陽丸は、オランダで建造された旧幕府軍の軍艦で、戊辰戦争のさなか1868年に江差沖で座礁し、その後、沈没しました。
船体は、沈没から150年以上たったいまも海に沈んでいて、江差町教育委員会が多くの人に開陽丸のことを知ってもらおうと水中ドローンを使って中継するイベントを開きました。
町から委託を受けた業者が、水中ドローンを操作して開陽丸に近づけ、役場に設置されたモニターには映像が映し出されました。
水中は濁っていて見えずらい状態でしたが、映し出された船体の木片や金属部品の一部について、学芸員が参加者に解説していました。
参加者は、「海底の状態を見たのは初めてなので、感動した」と話していました。
江差町教育委員会の学芸員の小峰彩椰さんは、「船体が残っていることを知らない人も多い。歴史を見つめ直すきっかけになったらうれしい」と話していました。
町によりますと、採取した船体の一部は、海中生物が入り込むなど腐食が進んでいるということで、状態を保つために対応していくということです。