アイヌ木彫り工芸 藤戸竹喜の作品展 29日〜白老・ウポポイ

アイヌの木彫り工芸の第一人者として活躍した藤戸竹喜の作品展が胆振の白老町にあるウポポイで29日から始まります。

藤戸竹喜はアイヌ民族と関わりが深い動物などを躍動的に表現した工芸作家で、札幌駅に設置されているアイヌの長老の像を制作するなど、アイヌの木彫り工芸の第一人者として知られ、2018年に亡くなるまで活躍しました。
29日から白老町のウポポイにある国立アイヌ民族博物館で藤戸の作品展が始まるのを前に、28日、展示の内容が報道関係者に公開されました。
会場では、初期から晩年までの91点の作品が紹介されていて、このうち、1964年につくられた「怒り熊」という作品は、クマが前足を振り上げて怒りの形相を見せているのが特徴で、表面を黒く塗らずに木目を見せる仕上げの先駆けとされています。
また、2004年の「親子熊」という作品は、座り込んだまま動かない子グマとそれを見つめる親グマの姿が印象的で、繊細なタッチで毛並みを表現しています。
展示を企画・監修した五十嵐聡美さんは、「作品は生命感にあふれていて、その中には流れるような物語性もある。訪れた人にはそういった世界観を体感してほしい」と話していました。
この作品展は、29日から8月25日まで開かれます。