JR北海道が来年4月からの運賃値上げを申請 平均7.6%↑

厳しい経営が続くJR北海道は、来年4月からの運賃の値上げを28日、国に申請しました。全体の値上げ幅は平均7.6%で、初乗り運賃は10円引き上げて210円とするほか、定期運賃は割引率を縮小し平均で18.9%引き上げるとしています。

JR北海道の発表によりますと、値上げは来年4月1日を予定していて、▽普通運賃は平均6.6%、▽定期運賃は割引率を縮小し平均18.9%、▽全体の平均では7.6%値上げするとしています。
このうち初乗り運賃は、現在の200円から10円引き上げて210円とし、札幌市営地下鉄の初乗り運賃と同額とします。
一方、特急料金については据え置きます。
値上げが国に認可されれば、消費税率の引き上げ分を含めて平均11.1%の値上げを行った2019年10月以来となります。
値上げの理由についてJR北海道は、燃料費や電気料金の高騰に加えて人材確保に向けた資金が必要なためなどとしていて、値上げによって年間で37億円の増収を見込んでいます。
また、コストの削減も行うことなどで、今年度は80億円の赤字を見込んでいるグループ全体の最終的な損益を、来年度は13億円の黒字に転換したいとしています。
綿貫泰之社長は記者会見で「さまざまな物の値段が高騰している中の値上げで心苦しいが、値上げとともに利用者サービスの向上も行うことで理解を求めていきたい」と述べました。

【値上げ申請 利用者の受け止めは】
JR北海道が来年4月からの運賃の値上げを申請したことについて、札幌市の20代の男子大学生は「大学生としては少しでも料金が上がると、バスなどほかの交通手段の利用も考えてしまいます」と話していました。
また、札幌市の60代の女性は、「値上げはしかたがないのかなとも思います。国の政策などでJRを支援していくしかないのかと思います」と話していました。
旭川市からバスで札幌市を訪れた70代の女性は「いまも少しでも値段が安いバスを使っているので、ますますJRを使わなくなってしまうかもしれません。ただ、値上げについては、バスなども値上がりしているのでやむをえないと思います」と話していました。