函館地裁 交通死亡事故被告に有罪判決 事故と薬物関係認めず

ことし4月、函館市で車を運転中、自転車で道路を渡っていた高齢男性をはねて死亡させたなどの罪に問われた51歳の被告に、裁判所は執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
被告は事故の4日前に覚醒剤を使用していましたが、「事故当時、薬理効果が残存していたわけではない」とし、事故との因果関係を認めませんでした。

函館市の宮腰始被告(51)はことし4月、函館市内の国道を車で運転中、自転車で道路を渡っていた78歳の男性に衝突し死亡させたほか、事故の4日ほど前に覚醒剤を使用したとして、過失運転致死と覚醒剤取締法違反の罪に問われました。
24日の判決で函館地方裁判所の延廣丈嗣裁判官は、「タブレット端末を拾うのに気をとられ脇見運転となり、被害者の発覚が遅れ事故に至ったもので、運転時に当然とるべき注意をおろそかにした過失は大きい」と指摘し、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
一方、この裁判では、検察側は事故の4日前に覚醒剤を使用していたことから、「覚醒剤により判断能力が鈍っていたのではないか」と指摘していましたが、延廣裁判官は「事故当時、薬理効果が残存していたわけではないから指摘は当を得ない」とし、事故と覚醒剤の使用との因果関係を認めませんでした。