阿寒湖のマリモ保全 水草駆除をめぐり意見交換

国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」の保全に関する会議が釧路市で開かれ、マリモの生育を妨げるとされる水草の駆除をめぐって有識者らが意見を交わしました。

21日、釧路市の阿寒町で開かれた会議には、有識者や市の関係者らおよそ20人が参加しました。
会議では、釧路市教育委員会マリモ研究室の尾山洋一次長がことし4月から始めた科学的な保全対策に向けた大規模な実証研究の計画や進捗を報告し、来年度以降、湖に流れ込む川の水の流れをマリモの群れに誘導するほか、成長を妨げる水草を部分的に刈り取る方針を示しました。
一方、釧路市世界自然遺産推進室の若菜勇推進員は、水草が増えていることがマリモの生育を妨げる最大の要因だとして、今年度から水草を大規模かつ早急に取り除く対策を提案しました。
これに対し有識者の多くからは「水草がマリモの生育に与える影響を慎重に評価する必要がある」などの指摘があり、水草の駆除をめぐる判断は次の会議に見送られました。
尾山次長は「保全に向け、できるだけ早急に対策を取りたいが、まだ分からないことも多く、効果的な対策を検討する必要がある」と話していました。