自民・堀井学氏に支部長交代求める声 進退など今後の対応注目

次の衆議院選挙で北海道9区の自民党の候補者について、地元支部からは現職の堀井学衆議院議員の交代を求める声があがっています。堀井氏に対し、今月下旬までに進退などを判断するよう求めていて、今後の対応が注目されます。

衆議院比例代表北海道ブロック選出で自民党の堀井学議員は次の衆議院選挙の立候補予定者となる北海道9区の支部長を務めています。
しかし▼有権者が多い苫小牧市と室蘭市の事務所を閉鎖し、後援会も停止状態にあることや▼派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で2000万円を超えるキックバックを受けていたことがわかり、地元支部からは選挙での支援は難しいなどとして堀井氏の交代を求める声があがっています。
自民党の関係者によりますと今月上旬、支部の役員が堀井氏と面会し、29日に苫小牧市で予定されている支部の総会までに進退などを判断するよう求めたということです。
堀井氏は16日行われた自民党道連の定期大会を欠席していて、道連会長を務める中村裕之衆議院議員は「支部の考え方を尊重し、上から押しつけるようなことにならないようしっかり見守りたい」と述べました。
地元からは本人が会見を開いて説明すべきだという意見もあり、堀井氏の今後の対応が注目されます。

【取材を担当する苫小牧支局の臼杵良記者が解説】
(Q1)
現職の国会議員に対し、地元の支部が交代まで求めるというのは異例の事態だと思うが、なぜなのか?
(A1)
最大の理由として堀井氏の政治活動に不満が高まっていることがあります。
前回、2021年の衆議院選挙で小選挙区で議席を確保できなかった堀井氏はその後、「二頭流」というキャッチコピーを掲げ、SNSを使った情報発信に力を注ぐなど、無党派層への支持拡大を目指してきました。
しかし、後援会からはパフォーマンス的な活動を重視し地域に根ざした活動や支持者をないがしろにしているなどの批判が出て、関係が悪化しました。
有権者が多い苫小牧市や室蘭市の事務所を資金繰りが厳しいとして閉鎖した際には、政治活動への本気度を疑問視する声もあがりました。
また、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題では2000万円を超えるキックバックを受けていたこともわかっています。
こうした中、地元支部の一部が堀井氏の政治姿勢を問う意見書を送付しましたが、本人から明確な回答を得られなかったことから、先月、支部の臨時役員会で堀井氏の交代が議論されるなど、不満が一気に表面化する形となりました。

(Q2)
堀井氏は今後、どのように対応するのか?
(A2)
本人はこれまで公の場での言及を避けていますが1つのポイントになるのが今月29日です。
この日は苫小牧市で支部の総会が予定されていて、党の関係者によりますと総会までにみずから進退などを判断するよう求めているということです。
国会は今週23日の会期末まで1週間を切っていて、堀井氏は閉会後から29日までのあいだに一定の方向性を示すものとみられます。
地元からは本人が会見を開いて説明すべきだという意見もあり、堀井氏の今後の対応が注目されるとともに、その動向によっては次の衆議院選挙で北海道9区の構図にも影響を及ぼすことになりそうです。