“日本手話”訴訟 原告側 訴え退けた1審判決不服として控訴

道立のろう学校に通う児童など2人が、日常的に使っている「日本手話」で授業が受けられず、学習する権利を侵害されたなどとして道に賠償を求めた裁判で、原告側は、訴えを退けた札幌地方裁判所の1審判決を不服として控訴しました。

「北海道札幌聾学校」に通う小学5年生の男子児童と去年卒業した中学2年生の女子生徒の2人は、日常的に使っている「日本手話」で教育を受けられないことは、学習する権利の侵害で、アイデンティティーを否定する差別的な扱いだとして、道に対して合わせて1100万円の賠償を求めました。
札幌地裁は先月、1審判決で「限られた人材の中でほかのコミュニケーション手段も使って授業の水準を保つことには合理性があり、差別的な扱いには当たらない」などとして原告の訴えを退けました。
原告2人はこの判決を不服として、6日札幌高等裁判所に控訴しました。
原告の中学2年生の女子生徒の父親は、「第一言語を奪われた娘の気持ちを理解してもらい、ろう学校の教育に対する取り組み方が見直されることを期待したい」と話していました。

道教育委員会の中島俊明教育長は、「控訴が提起されたことは承知している。控訴状が届き次第、内容を十分確認した上で適切に対応していきたい」とコメントしています。