釧路女性2人死亡事故 88歳被告に禁錮1年4か月の実刑判決

去年10月、釧路市で女性2人を車ではねて死亡させたとして過失運転致死の罪に問われた88歳の被告について、釧路地方裁判所は禁錮1年4か月の実刑判決を言い渡しました。

根室市の無職、中塚正悦郎被告(88)は去年10月、釧路市春採の市道で道路を横断中だった80代と90代の女性2人を車ではねて死亡させたとして過失運転致死の罪に問われました。
これまでの裁判で検察側は「前方を注意して運転するという最も基本的な注意義務に違反していて過失の程度は重大だ」と指摘し被告に禁錮1年10か月を求刑したのに対し、弁護側は執行猶予の付いた判決を求めていました。
29日の判決で釧路地方裁判所の井草健太裁判官は「被告は被害者の姿を認識する時間が十分にあり、道路の安全を確認していれば事故は容易に回避できた。2人の尊い命が失われた結果は極めて重大で、被害者の苦痛や無念は察するに余りある」と指摘しました。
そのうえで「被告が反省の態度を示し今後は運転しない旨を述べていることなどを考慮しても刑の執行を猶予するのは相当ではない」などと述べて禁錮1年4か月の実刑判決を言い渡しました。