紋別で将棋の「名人戦」第5局 “大盤解説会”に多くのファン

紋別市で行われている「名人戦」七番勝負の第5局は27日が2日目です。対局会場のホテルでは「大盤解説会」が開催され、多くのファンが対局の行方を見守りました。

将棋の八大タイトルで最も歴史のある「名人戦」は、去年、最年少で「名人」のタイトルを獲得した藤井聡太八冠(21)に豊島将之九段(34)が挑んでいて、ここまで藤井八冠が3勝1敗と、初防衛まであと1勝としています。
第5局は、26日から紋別市で行われ、2日目の27日は、先手の藤井八冠がきのうの対局終了時に書いた「封じ手」を立会人が開封して対局が再開しました。
会場のホテルでは、大きな将棋盤を使ってプロ棋士が対局について解説する「大盤解説会」が開かれ、事前に申し込みをしたおよそ120人のファンが集まりました。
ファンたちは、プロ棋士が2人が指した手を解説したり、次の一手を予想したりするのを聞きながら、対局の行方を見守っていました。
愛知県から来た70代の女性は「第4局のような手に汗をにぎる名勝負をしてほしい」と話していました。
また、網走市から来た50代の男性は「2人とも魅力的な棋士なので、どちらにも頑張ってほしい」と話していました。
対局は現在も続いていて、勝敗は27日夜、決まる見通しです。

【注目の“勝負めし”は】
将棋のタイトル戦で毎回、注目を集めるのが、対局中に棋士たちに提供される食事やおやつ、いわゆる「勝負めし」です。
紋別市での名人戦にあわせて、市は2人に提供する食事やおやつのメニューを募り、地元の飲食店などから37品目の応募がありました。
1日目の26日の昼食で、藤井聡太八冠は「ずわい蟹いくら重」、豊島将之九段は「海鮮丼」と、いずれも紋別特産の海の幸を使ったメニューを注文しました。
また、2日目の27日の昼食では、藤井八冠が「ホタテカレー麻婆豆腐丼」を、豊島九段が、1日目に藤井八冠が食べた「ずわい蟹いくら重」を注文しました。
一方、26日の午前のおやつで2人が選んだのは「塩バターどら焼き」で、注文が重なりました。
この「塩バターどら焼き」は地元の菓子店が名人戦のために考案したもので、オホーツク産の小麦と卵を使った生地で粒あんとバターを挟んでいます。
どら焼きを提供した菓子店には、2人が注文したことを知ったファンが同じ味を楽しもうと、27日朝から次々と訪れていました。
店によりますと、どら焼きは対局にあわせて26日から販売を始め、26日の午前のおやつに選ばれたことが発表されてから売れ行きが伸びて300個が完売したということで、27日は倍以上の700個を用意したということです。
旭川市から訪れた男性は「藤井八冠が食べたということで買いに来た。どのような感想を持ちながら食べたのかなということを想像しながら食べたい」と話していました。
菓子店の渡邊孝博代表は「選ばれたのは非常に光栄でうれしく思う。紋別での名人戦で本当にいい勝負をしていただければ」と話していました。