帯広の観光名所“幸福駅” 駅舎に貼られたカードはがし奉納へ

帯広市の観光名所となっている幸福駅は観光客が幸せを願うメッセージを記したカードが駅舎を覆い尽くすように貼られています。27日、建物をきれいに保つためにカードをはがす作業が行われました。

旧国鉄広尾線の駅として開業した幸福駅は、昭和40年代から50年代にかけて近くの「愛国駅」から「幸福駅」行きの切符が、「愛の国から幸福へ」というキャッチフレーズとともに人気を集めました。
広尾線の廃止後も幸福駅の駅舎には多くの観光客が訪れ、切符を模したカードに幸せを願うメッセージを記して貼っていくようになりました。
11年前に建て替えられた駅舎は天井などを覆い尽くすようにカードが貼られていて、市はカビなどが発生し、建物の維持・管理に影響するおそれがあるとして、いまあるカードをすべてはがすことを決めました。
27日の作業には市の職員や駅を管理している住民など18人が参加し、カードを次々とはがして1時間ほどできれいにしていました。
回収されたカードは29日、神社に奉納されるということで、今後も建物などへの影響を踏まえて、カードをはがす作業を行うことにしています。
帯広市の阿部恭子観光交流課長は「こんなにきれいになった駅舎を初めて見ました。今後も縁起のいい場所として皆さんに愛されるよう努めていきたい」と話していました。

【幸福駅とは】
帯広市郊外にある幸福駅は旧国鉄広尾線の駅として1956年・昭和31年に開設され、NHKの紀行番組で紹介されたことがきっかけで一躍有名になりました。
「愛の国から幸福へ」のキャッチフレーズで、同じ広尾線の愛国駅から幸福駅行きの切符が人気を集めました。
1987年・昭和62年の広尾線廃止後も駅舎には観光客などが訪れ、幸福を願うメッセージとともに切符を模したカードを貼り、観光名所として定着しました。
開設当初からの駅舎は老朽化が進んでいたことから2013年・平成25年に新しく建て替えられましたが、今も市を代表する観光地として多くの観光客が訪れています。