「先住民の漁業」をテーマにオーストラリアで国際シンポジウム

「先住民の漁業」をテーマにした国際シンポジウムがオーストラリアで開かれ、北海道のアイヌの団体のひとつが「先祖と同じように川でサケをとって生きていきたい」と訴え、漁業を規制しないよう求めました。

オーストラリア南東部キオロアで開かれているシンポジウムには、地元オーストラリアのほか日本や台湾など5つの国と地域の先住民が参加しました。
この中で北海道浦幌町のアイヌの団体「ラポロアイヌネイション」は、先住民として川でサケをとる権利を求めて全国で初めて裁判を起こしたことや、札幌地方裁判所が先月、訴えを退ける判決を言い渡したことを紹介しました。
メンバーの長根弘喜さんは「先祖と同じように川でサケをとってアイヌとしての誇りを持って生きていきたい」と訴え、漁業を規制しないよう求めました。
このほか会場では、オーストラリアのアボリジニの人たちが、魚介類の漁が種類によって規制されていることなどを報告しました。
シンポジウムを主催した地元のアボリジニの団体のウォーリー・スチュワートさんは「世界中の先住民が同じような状況に置かれていることがわかり、強いつながりを感じた。皆で団結し、いい成果が生まれることを期待する」と話していました。