函館 特養で86歳入所者に複数あざ 虐待の可能性で市が調査

ことし3月、函館市の特別養護老人ホームで、入所者の体に複数の不自然なあざが確認され、虐待が行われた可能性のあることがわかりました。市が関係者から聞き取りを行うなど詳しく調べています。

市が調べているのは、函館市釜谷町にある特別養護老人ホーム「潮寿荘」です。
関係者への取材や情報公開請求で入手した資料によりますと、ことし3月、この施設に入所する86歳の女性の胸や脇の近くに打撲の痕のような複数のあざが確認されていたことがわかりました。
施設側の聞き取りに女性は、特定の職員の名前を出し、「この人の介助はもう嫌だ」などと訴えたということです。
市は女性がみずからぶつけて出来るあざではないことなどから、特定の職員が夜間や早朝などに虐待を行った可能性があるとみて詳しく調べています。
また、この施設では去年10月、職員が夜勤中に酒を飲み、入所者に決められた量の薬を与えないなどずさんな介護を行った上、その事実を同僚と口裏合わせをして隠そうとしていたこともわかり、市は、十分なケアをしないネグレクトの疑いでも調べています。
特別養護老人ホーム「潮寿荘」の柏原美之施設長は、NHKの取材に対し、「関係者に謝罪を行うとともに、防犯カメラを導入するなど再発防止策を検討しています。市の調査には協力していきます」と話しています。