各地で低緯度オーロラ観測 太陽フレアの影響はいつまで?

11日の夜から12日未明にかけて、道内各地で、ふだんより低い緯度で見られる「低緯度オーロラ」が観測されました。これは「太陽フレア」と呼ばれる太陽の表面で起きた爆発現象による影響だとみられています。この「太陽フレア」、私たちの暮らしにも何か影響はあるのでしょうか。

【美瑛町】
上川の美瑛町にある十勝岳の登山口、望岳台でも道内各地の星空を撮影しているカメラマンの「NaoAkimoto」さんが11日午後7時半ごろから午後10時ごろにかけてオーロラとみられる映像を撮影しました。
1000枚ほどの写真をつなぎ合わせて時間を縮めたタイムラプスの映像では、夜空が徐々に紫色に明るくなり、オーロラとみられるものが揺らいでいるのが確認できます。
撮影した「NaoAkimoto」さんは「肉眼ではあまり見えませんでしたが、写真では色がきれいでオーロラとみられる『縦のカーテン』が揺れている様子も撮影できて感動しました」と話していました。
【初山別村】
札幌市に住む平井諭さんは、11日午後10時45分ごろから午後11時半ごろにかけて、日本海側の初山別村で北の方角にカメラを向けて撮影しました。
映像には満天の星空の中にうっすらと赤いオーロラとみられるものが揺らいでいるのが見え、徐々に濃い赤色から紫色へと変化していく様子が映っています。
撮影した平井さんは「天気予報を確認し晴れてよく見えそうな初山別村に向かいましたが、想像以上にきれいに見ることが出来てうれしかったです。肉眼で見ると淡い赤色でしたがカメラを通すことでよく観察することができ、貴重な体験でした」と話していました。
【遠軽町生田原】
オホーツク海側の遠軽町生田原に住む埴山和成さんは、自宅の近くで11日午後7時ごろから午後9時ごろの間に北の方角にカメラを向けて撮影しました。
映像には、雲の隙間からうっすらと赤い色が見え始め、その後、紫色のオーロラとみられるものが揺らいでいるのが確認できます。
撮影した埴山さんは「肉眼で見るとうっすらと赤い色を見ることができました。過去にカナダでオーロラを撮影したことがありますが、道内で撮影できとてもうれしいです」と話していました。
【太陽フレアの影響は】
道内各地で見られた「低緯度オーロラ」。
ここ数日、太陽の表面で、「太陽フレア」と呼ばれる爆発現象が起きた影響で地球の磁場が乱れる「磁気嵐」が発生し、北海道のような緯度の低い地域でもオーロラが観測できたとみられています。
一方で爆発の規模が大きい場合、通信衛星などの人工衛星やGPSの位置情報、短波の無線通信などに影響が出るとされています。
情報通信研究機構によりますと、「太陽フレア」の影響でこれまでのところ大規模な通信障害などは確認されていないということですが、今月16日ごろまでは、通信衛星などの人工衛星やGPSの位置情報、それに短波の無線通信などに影響が出るおそれがあるとして注意を呼びかけています。