知床の小型観光船が運航開始 乗客に位置情報知らせる専用端末

北海道東部、知床の斜里町を拠点にする小型観光船の事業者が28日から今シーズンの運航を始めました。おととし起きた観光船の沈没事故を受けて、乗客には緊急時に周りの漁船などに位置情報を知らせる専用の端末が用意され、事業者は今後、本格的な導入を検討するとしています。

おととし4月に知床半島沖で観光船が沈没した事故を受けて、斜里町ウトロを拠点にする「知床小型観光船協議会」はおととし安全に運航するための自主ルールを作成したほか、今シーズンは緊急時に乗客の位置情報を把握できる端末を導入することにしています。
運航初日の28日は3社のうち1社が運航を行い、最初の便となった2隻を利用したおよそ60人の乗客には乗船前に専用の端末が配られました。
この端末では、GPS機能を使ってあらかじめ登録したほかの事業者や漁船に位置情報を知らせることができるということで、乗客は首から端末を提げて船に乗りました。
札幌市から訪れた女性は「スタッフからの説明や新しいサービスは安心感につながりました」と話していました。
知床小型観光船協議会の神尾昇勝会長は「初便が無事に戻ってきて安心しました。気を抜かず安全運航を引き続き行いたい」と話していました。
斜里町ウトロでの小型観光船の運航は、10月下旬まで行われる予定です。