知床沖観光船沈没事故受け携帯電話基地局整備 年度内に運用へ

おととし、知床半島沖で観光船が沈没した事故を受け、国などが進めている携帯電話の基地局整備の進捗状況が報告され、今年度中に整備を終え運用を始める方針が示されました。

プロジェクトには総務省や環境省など7つの省庁と道や地元の斜里町、羅臼町、地域の関係団体、それに携帯電話事業者が参加し、26日、斜里町ウトロで開かれた会議で進捗状況が報告されました。
おととし知床半島沖で起きた観光船事故では、周辺の海域で通じない携帯電話を使っていたことから、プロジェクトでは新たに4か所に基地局を整備し通信エリアを拡大することになっています。
このうち、知床五湖では去年11月に整備が終わり、すでに運用を始めていることが報告されました。
また、残りの宇登呂局と知床岬灯台、それに、羅臼町のニカリウス地区についても、今年度中に整備を終え、運用を始める方針が示されました。
これにより、来年春には、知床半島の沿岸の海域で携帯電話の圏外は解消されることになります。
会議後の会見で、総務省総合通信基盤局の荻原直彦電波部長は「知床半島は、特殊な地理的環境のため携帯事業者だけでは基地局の設置は困難だ。これからも関係機関と連携を図ってプロジェクトを推進していきたい」と話していました。