知床 小型観光船運航開始前に海難救助サービス使った訓練

2年前に観光船の沈没事故が起きた知床の斜里町で、今シーズンの小型観光船の運航開始を前に、新たに導入した海難救助サービスを使った訓練が行われました。

斜里町のウトロ沖で行われた訓練には、地元の小型観光船事業者や漁業者などおよそ40人が参加し、航行中の観光船から乗客1人が海に落ちた想定で行われました。
訓練で使われたのは「よびもり」というサービスで、海に投げ出された場合に首から提げた専用の端末で自分の位置情報を家族やほかの船の船員のスマートフォンに知らせることができます。
訓練に参加した船は、このサービスで通知された位置情報をもとに、3キロほど離れた現場に向かい、8分ほどで到着して、乗客に見立てたブイを回収しました。
2年前に知床半島沖で起きた観光船の沈没事故により安全への懸念が広がり、斜里町ウトロの小型観光船の利用客数はコロナ禍前の半分以下と苦しい状況が続いています。
救助サービスを開発した会社の千葉佳祐社長は「定期的に訓練を行ってサービス利用者と対話を重ね、課題を改善して協力していきたい」と話していました。
知床小型観光船協議会の神尾昇勝会長は「訓練を重ねてシステムの使い方にも慣れてきた。何かあった時に行動できるよう準備していきたい」と話していました。