函館高専で出前授業 ものづくりに関心を

人手不足が深刻な加工技術産業で、若い世代の関心を高めようと経済産業省と地元の企業などが協力し高等専門学校の学生を対象に出前授業を開きました。

素材に熱や力を加えて製品を作る加工技術産業では人材確保や育成が課題となっていて、経済産業省は23日、全国で初めて高専の学生を対象にした出前授業を函館工業高等専門学校で開きました。
およそ20人の生徒が参加し、はじめに経済産業省の担当者が、日本のものづくりの歴史や技術を紹介したあと、急激に変化する社会の中で加工技術の産業をどう考えるかや、人材育成の重要性などを伝えました。
続いて、函館市内で水道管や消火栓などを製造する創業100年を超える地元企業の社員が製造工程のほか、3Dプリンターの活用といった新たな取り組みなどを紹介しました。
出席した学生は「これまでは新しいものをつくることで世の中をよくしたいと考えていましたが、すでにあるものに新しい技術を加えてよくしていく考え方が興味深かったです」と話していました。
経済産業省・製造産業局の星野昌志素形材産業室長は「変化のスピードが激しいものづくりの世界では、技術の発展とそれを支える人材確保と育成が大きな課題です。1人でも多くの高専生にものづくりの世界に関心を持ってもらうことが最初の一歩だと思っています」と話していました。