国の運輸安全委 武田委員長「観光と運輸安全は一体に」

知床半島沖の観光船の沈没事故から23日で2年となりましたが、事故原因を調査した国の運輸安全委員会の武田展雄委員長は「観光と運輸の安全は一体となっている必要がある」と述べ、地域で安全確保の取り組みを進めていくことの重要性を指摘しました。

国の運輸安全委員会は20人が死亡、6人が行方不明となっている知床半島沖の観光船の沈没事故について去年9月に最終報告書をとりまとめました。
この中で事故原因について船は甲板のハッチのふたが確実に閉まっていない状態で、海水が流入したとしたうえで運航会社には安全管理体制が存在していない状態だったなどと指摘しました。
23日開かれた定例の記者会見で、武田委員長は「同じような事故が二度と起きないように、1つ1つの事故の調査を行い、安全確保に必要な提言や情報発信を続けたい」と述べました。
その上で船舶の安全対策について隔壁の水密化や連絡手段の確保などは進みつつあるとした一方で「観光と運輸の安全は一体となっている必要があるので地域の力が非常に重要だ」と述べ、観光を推進する地域で安全意識を醸成し、取り組みを進めていくことの重要性を指摘しました。