野付半島で江戸時代の遺跡ツアー 国後島と船で結ぶ交通の要衝

道東の野付半島で、江戸時代後期に沖合の国後島との間を行き来するために使われた施設の遺跡を巡るツアーが行われました。

別海町の郷土資料館が開いたツアーには14人が参加しました。
はじめに郷土資料館の担当者が、江戸時代後期、野付半島はおよそ16キロ沖合にある国後島とを船で結ぶ交通の要衝だったと説明し、幕府が整備した「野付通行屋」と呼ばれる施設やニシン漁の番屋が軒を連ねていたことを紹介しました。
続いて参加者たちは半島の先端部に残る施設の遺跡を目指して2キロあまりの道のりを1時間ほどかけて歩きました。
現在、建物は残されておらず、敷地内にあった畑の跡や墓石などを含めて「野付通行屋」の遺跡とされていて、参加者たちは畑の畝の跡や墓石に刻まれた文字を確認しながら、かつてこの地で営まれていた人々の暮らしに思いをはせていました。
小樽市から参加した50歳の男性は「ここに人が住んでいたことは信じられませんが、畑の跡などを見て、厳しい環境の中で頑張って暮らしていた人たちの歴史を感じることができました」と話していました。