道銀本店 建て替えで60年前建設の現在のビルでの営業終了

札幌市中心部にある北海道銀行の本店が、建て替えに伴い、60年前に建設された現在のビルでの営業を19日、終えました。

1964年に建設された北海道銀行の本店が入る「道銀ビルディング」は老朽化のため建て替えられることが決まっています。
このビルでの本店の営業は19日が最後となり、午後3時にシャッターが閉まるのにあわせて、行員たちがおじぎをして別れを惜しんでいました。
本店のロビーの壁面には農業や漁業、工業など道内の産業発展への思いが表現された幅41メートル、高さ3.3メートルの巨大なレリーフ「大地」が新築当初から展示され、銀行の利用者だけでなく建物のガラス越しに歩道からも見えることから“隠れたアート”としても市民に親しまれてきました。
道銀ではこの巨大なレリーフを分割した上で札幌市内にある銀行の施設に保管することにしていて、19日は名残惜しそうに眺める人の姿もありました。
また、ロビーではこれまで定期的にコンサートが開かれ、憩いの場としても活用されてきました。
道銀本店営業部の萱場元乙部長は「60年もの間、お客様に愛していただいたので寂しい思いと、これからまた新しい一歩を踏み出していこうという思いが入り交じっている。建物が変わっても皆様に愛される銀行を目指していきたい」と話していました。
「道銀ビルディング」の跡地には現時点では2028年の完成を目指して、本店営業部のほかホテルやオフィスなどが入る新しいビルが建設される予定です。
建て替え工事の間、本店営業部は札幌市中心部にある別のビルに移転しますが、経営企画などの本部機能は新たに建設したビルで今月から業務を始めています。