道内でも減少傾向の書店 生き残りへ まちの書店の取り組みは

ネット通販や電子書籍の普及などで全国的に書店が減少していることを受けて、齋藤経済産業大臣は17日、東京都内で書店の経営者らと意見交換しました。
国も懸念する書店の減少、道内でも同じような状況です。
出版社や書店などでつくる日本出版インフラセンターによりますと、去年12月時点の道内の店舗数は533店と、その10年前より3割近く、減りました。

【生き残りへ まちの書店の取り組みは】
店舗型の書店はどのようにして顧客をつなぎ止めようとしているのか。
札幌市内ではネットやSNSの普及拡大を逆手に取ったユニークな手法を採り入れる店舗も出てきています。
半世紀余りにわたって札幌市内に店を構える「ダイヤ書房」では先月からSNSで人気のインフルエンサー2人を起用して書籍をPRするコーナーを売り場に設けています。
インフルエンサーに書評を依頼し、陳列棚に掲示するポップで紹介しています。
新学期が始まったこともあって、この時期は高校生向けの書籍を取りそろえていて、来店した客の反応は上々だということです。
店長の谷尾苑香さんは「読書離れが進んでいますが、若者が多く利用するインスタグラムのインフルエンサーが紹介することで、普段は手に取られない本も売れています」と話していました。
また、この店舗では10年ほど前に客足が減ったことをきっかけに、売り場に雑貨コーナーを設けるなど取り組みを続けてきました。
おととしからは客の滞在時間を増やし、本をより身近に感じてもらおうと、店内の一角にカフェも開設しました。
カフェを利用していた60代の女性は、「ここに座っていると普段は本を読まない私でも手に取りやすいです。孫のために本を買おうかなと思います」と話していました。
このほか5歳の子どもと来店した40代の父親も、「子どもを連れてくると喜んで色々な本を見て良い経験になるので、書店があってありがたいです」と話していました。
店長の谷尾さんは、「書店は目的とする本以外との偶然の出会いが魅力だと思います。カフェを併設したり、SNSの力を利用したりして書店を続け、これからもお客さんに『本のある空間』を楽しんでもらいたいです」と話していました。