KKR札幌医療センター入札妨害 病院元事務部長に有罪判決

札幌市の「KKR札幌医療センター」内に薬局を設置するための公募型プロポーザルで特定の業者に情報を漏らしたなどとして入札妨害の罪に問われている病院の元事務部長に対し、札幌地方裁判所は執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。

「KKR札幌医療センター」の事務部長だった藤井浩之被告(63)は4年前、薬局の設置に関する公募型プロポーザルで特定の業者に競合他社の情報を漏らしたなどとして、調剤薬局を運営する「アインファーマシーズ」の元幹部、新山典義被告(56)と酒井雅人被告(54)とともに公契約関係競売入札妨害の罪に問われていました。
裁判で藤井被告は罪を認めていた一方、業者側の元幹部2人は「公募型プロポーザルは一般競争入札にはあたらない」などとして、無罪を主張していました。
18日の判決で、札幌地方裁判所の井下田英樹裁判長は「公の入札にあたると解するのが相当だ」としたうえで「公正な企画競争を運営すべき立場にある者として厳しい非難は免れない一方、反省の態度を示している」などとして、藤井被告に懲役1年、執行猶予3年、業者側の元幹部2人に懲役6か月、執行猶予2年をそれぞれ言い渡しました。
判決を受けて、酒井被告の弁護士は、「当方の主張が認められず、極めて遺憾な判決である。判決内容を精査したうえ、控訴審の判断を仰ぐことになるだろう」とコメントしています。
「KKR札幌医療センター」は、ホームページで「患者様をはじめ関係各位の信用を失墜させることとなってしまい、誠に遺憾であり、改めて深くお詫び申し上げます。この度の判決を真摯に受け止め、職員一同、再発防止に努め信頼回復に向け取り組んでまいります」とコメントしています。