新幹線函館駅乗り入れ 函館市議会で慎重な検討求める意見

新幹線の函館駅への乗り入れについて「技術的に可能だ」とする調査結果がまとまってから初めて函館市の市議会で議論が行われ、複数の議員から慎重な検討を求める意見などが相次ぎました。

函館市は先月、新幹線の函館駅への乗り入れについて、レールを1本増やすことで技術的には乗り入れが可能で、「フル規格」の場合、整備費が160億円台と見込まれるなどとした調査結果をまとめました。
これについて17日、函館市議会の協議会が開かれ、議員の1人からは「乗り入れの実現に向け議会が一丸となるべきだ」とする意見が出た一方で、複数の議員からは「整備費に車両費が含まれておらず、検討が不十分ではないか」など慎重な検討を求める意見が出されました。
一方で、市の担当者が「在来線区間への乗り入れは道内では前例がなく、把握できていない費用の発生がありうる」と説明したのに対し、議員からは「具体的に発生しうる費用が示されなければ、賛否の判断すらできない」とより詳しい説明を求める意見が相次ぎました。
このほか、新函館北斗駅と函館駅の間で運行されている列車への影響や、近隣の自治体などとの合意形成をどう進めていくかをただす質問も出されましたが、市の担当者は、「意見をもらいながら丁寧な説明を行いさらに検討を進める」とする答弁に終始しました。
今回の調査結果については、6月の定例市議会でも質疑が相次ぐとみられ、市はより詳しい説明を求められることになります。