札幌市 円山動物園・藻岩山含むエリアでクマの駆除対策強化へ

クマが「指定管理鳥獣」に指定される中、札幌市は観光客なども多く訪れる円山動物園や藻岩山を含むエリアで、生息数の調査などを進め駆除対策を強化する方針です。

全国でクマによる被害が相次いでいることを受けて、環境省は16日、ヒグマなどのクマ類を「指定管理鳥獣」に指定し、管理体制などを強めることになりました。
こうした中、観光客などが多く訪れる札幌市の円山動物園や藻岩山を含む一帯でもクマの目撃が相次いだため、市は去年、「ヒグマ対策重点エリア」に指定し、今後、駆除などの対策を強化する方針です。
具体的にはことし6月以降、クマの毛を採取してDNAなどを調べる「ヘアトラップ調査」の地点を現在の3か所からおよそ10か所に増やすことや、ドローンを活用して上空から冬眠中のクマの穴などを調査することで、エリア内に生息しているクマの数や行動範囲を詳しく確認することにしています。
また生ゴミなどを食べられないよう公園のゴミ箱を強固なものに変更することや、クマを捕獲するための「箱わな」を設置することを検討しています。
こうした方針について、市は専門家などが参加する会議を来月下旬にも開催し、出された意見を踏まえて決定することにしています。

【道が関係機関集め会議 ヒグマ出没時の対応確認】
春になりヒグマの活動が活発化することから、道は関係する部局や機関を集めた会議を開き、ヒグマが出没した際の対応などを確認しました。
このなかで、道環境生活部の新井田順也野生動物対策担当局長が「ヒグマなどのクマ類が指定管理鳥獣に追加され、国でも積極的に対策が進められると思われる。道内でも関係機関が協力して対応することが重要だ」と述べました。
会議では道の担当者が、ヒグマが市街地に出没し重大な被害が発生するおそれがある場合は駆除を行うことを説明しました。
また、春はヒグマが冬眠から覚める時期と山菜採りのシーズンが重なり、被害が増加する傾向にあることから、山に入る際の注意喚起を強化するよう呼びかけました。
道によりますと、昨年度1年間に道内ではヒグマによる人身事故で2人が死亡、7人がけがをし、死傷者の数は令和3年度に次いで過去2番目に多かったということです。