陸上自衛隊 航空操縦士の自殺 約１億２３００万円賠償の判決

北海道にある陸上自衛隊第７師団の航空操縦士だった男性が４年前に自殺したのは上司から受けたパワーハラスメントが原因だったとして両親らが国を訴えた裁判で札幌地方裁判所は国におよそ１億２３００万円の賠償を命じました。

訴状によりますと北海道千歳市に司令部がある陸上自衛隊第７師団の航空操縦士だった当時２７歳の男性が４年前に自殺したのは上司から日常的にパワーハラスメントを受けたことなどが原因だとして、両親ときょうだいが国に対し、あわせて２億円あまりの損害賠償を求めていました。
１５日の判決で札幌地裁の右田晃一裁判長は、「男性は直属の上司から『死ね』や『ばか』などと暴言を日常的に言われるパワーハラスメントをおよそ１年８か月にわたって受け続けたうえ、別の上司との板挟みで業務が停滞するなどして、直前の１か月で１００時間を超える時間外労働を余儀なくされたことなどから自殺に至った」と指摘しました。
そのうえで「突然の自殺により、両親らは甚大な精神的な苦痛を被ったと推認される」などとして国におよそ１億２３００万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
陸上自衛隊の北部方面総監、末吉洋明陸将は、「今回の判決は、国の主張について裁判所の理解が得られなかったものと考えている」とコメントしました。