“レタスは平年比1.58倍” 野菜の高値 いつまで続く?

このところ野菜の高値が続いています。
葉物野菜を中心に小売価格が高くなっていて、白菜は平年と比べて2倍を超えています。買い物客や白菜を多く使う料理店の反応と、今後の価格の見通しを取材しました。

【野菜は全国的に高値傾向】
農林水産省が公表した先週の野菜の小売価格は、8つの調査品目のうちジャガイモを除く7品目が平年より高くなっています。
農林水産省が今月3日から5日の間に全国の販売店舗で調査してまとめた主要な野菜8品目の価格動向によりますと、小売価格はいずれも平年と比べて、▼レタスが1.58倍、▼キャベツが1.36倍、▼にんじんが1.29倍、▼きゅうりが1.26倍、▼トマトが1.22倍、▼ねぎが1.21倍、▼たまねぎが1.18倍と高くなっています。
8品目で唯一、ジャガイモは0.94倍と平年に比べて安くなっています。
また、先月まで調査対象となっていた白菜と大根の小売価格は、先月の最終週の時点で▼白菜が平年と比べて2.37倍、▼大根が1.32倍となっていました。
農林水産省によりますと、ことしの冬は本州などの産地が暖かく野菜の生育や出荷が早めに進んだ一方、2月下旬以降は低温で生育が遅れて出荷が不安定になったため、高値の野菜が増えているということです。

【スーパーの買い物客の反応は】
札幌市手稲区にあるスーパー「キテネ食品館」では、白菜や大根などの野菜がいつもの年と比べて高値で販売されています。
きょうは、いずれも税込みで▼2分の1にカットした白菜が214円、▼大根が1本270円で販売されていて、去年の同じ時期と比べて1.3倍から1.5倍ほど高くなっているということです。
買い物に訪れた30代の女性は「ふだんよりも高くて驚きます。いろんなものが値上がりして大変なので、値段が落ち着いているものを買うようにしたいです」と話していました。
60代の男性は「白菜が別のスーパーではあまり見ることのない8分の1サイズにカットして売られていてびっくりします。産地直送の店などに行って安いものを買うなど工夫しています」と話していました。
70代の女性は「野菜が高いのが鍋をする時期じゃなくてよかったです。最近はこれまで捨てていた部分も料理に使うなどしています」と話していました。
このスーパーでは、ほうれんそうや小松菜など、価格が落ち着いている野菜をお買い得品として販売しているということです。
スーパーの青果担当の田中秀敏さんは「白菜などは高すぎて入荷を取りやめた時期もあり、安く販売できず困っています」と話しています。

【中華料理店は白菜高騰で苦慮】
札幌市中央区にある中華料理店では、料理に欠かせないという白菜の高値に苦慮しています。
この店では、あんかけ焼きそばや炒め物に白菜を使っていて、ふだんは1キロ130円ほどで仕入れていますが、ここ1か月ほど値上がりしていて、現在は1キロおよそ370円で仕入れているといいます。
このため、白菜の量を減らし、代わりにキャベツを入れるようにした料理もあるということです。
中華料理店「厨華房□曼田林」の河合貢司オーナーシェフは「料理人を50年近くやっていますが、白菜がこんなに高いのは初めてです。白菜は中華料理に欠かせないので、早く値段が落ち着くことを期待したいです」と話していました。

【野菜の高値いつまで続く?】
野菜の高値はいつまで続くのか。
農林水産省によりますと、今後は気温の上昇に伴って生育の回復が見込まれることなどから、今月後半には平年並みの価格に落ち着く見通しだとしています。
また、札幌市手稲区にあるスーパーの青果担当の田中秀敏さんは「今月末から大型連休明けになれば、地物の野菜も出てきて値段も落ち着くと思います」と話していました。